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犬・猫のアトピー性皮膚炎|悩む症状と最新治療をご紹介!

犬や猫がしきりに体をかいたり、手足をなめ続けたりしていると、「どうにかしてあげたいのに、なかなか良くならない…」と飼い主様は不安になりますよね。こうしたしつこいかゆみの原因の一つが、アトピー性皮膚炎です。実はこの病気は免疫異常が大きく関わっており、従来の治療法では「効果が出ない」「副作用が心配」「治ってもまた再発する」といったお悩みが少なくありません。そこで近年注目を集めているのが、再生医療による新しいアプローチです。

今回は、アトピー性皮膚炎の基本的な知識をお伝えしたうえで、その治療法の1つとして再生医療に注目してご説明します。

◼️目次
1.主な症状
2.原因
3.一般的な診断法と従来の治療
4.再生医療による治療
5.日常生活での管理
6.まとめ

 

主な症状


アトピー性皮膚炎は、免疫の異常によって皮膚に炎症が起こるので、強いかゆみが慢性的に続きます

ご家庭では、手足の先を舐める・噛む、顔や首、耳を激しくひっかく、体を床や壁にこすりつける、といった様子がみられます。かゆみが治まらないと皮膚の状態が悪化して、赤みを増す、毛が抜ける、毛が短くなる、出血する、などの変化が現れます。

このように弱った皮膚は、細菌などの病原体が感染しやすくなるので、二次感染を引き起こすこともあります。「かゆい→引っかく→皮膚の状態が悪くなる→さらにかゆくなる」といった悪循環によって症状が進行すると、治療を始めてもなかなか治りにくく、病気が慢性化(長期にわたること)してしまうことも珍しくありません。

 

原因


アトピー性皮膚炎は、花粉やハウスダスト、食べ物など、さまざまなアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対して、体が過剰に反応することで起こると考えられています。アレルゲンが皮膚に侵入すると、そのアレルゲンに対して特殊な免疫反応がおこり、それが肥満細胞などを刺激して皮膚の炎症を強めます。

犬・猫ともに3歳未満の若い時期に発症が多いとされますが、中高齢のペットでも油断はできません。また、耳や顔、手足の先、脇の下、おなか、尻尾の根元、股などに症状が現れやすいという特徴があります。

 

一般的な診断法と従来の治療


アトピー性皮膚炎は、問診、血液検査、皮膚検査、アレルギー検査によって総合的に診断します。こうしたかゆみが現れる病気はアトピー性皮膚炎だけではないため、他の皮膚病の可能性を除外していくことが重要になります。

従来の治療方法
アトピー性皮膚炎の治療は、アレルゲンをなくすとともに、皮膚の炎症を和らげることがポイントになります。一般的には、次のような選択肢があります。

・薬物療法:ステロイド、抗ヒスタミン薬など
・シャンプー療法:皮膚を清潔に保ち、炎症を抑える
・食事管理:アレルゲンを減らした療法食など
・環境整備:室内のほこり対策、こまめな掃除

しかし、それぞれの治療法で合う子もいれば合わない子もいます。また、効果があっても副作用があり、長期的には使用できないものもあります。さらに、持病があったり二次感染が起こっていたりする場合は治りにくく、かなり長い間治療を続けていかなければいけません。
こうした状況は、犬や猫のQOL(生活の質)に悪影響を及ぼすだけでなく、飼い主様の負担も大きくなりがちです。

 

再生医療による治療



近年、アトピー性皮膚炎に対する新しい治療法として再生医療が注目されています。再生医療にはさまざま種類がありますが、アトピー性皮膚炎には「間葉系幹細胞(MSC)療法」が用いられます。MSC療法では、MSCを自己移植あるいは他家移植することで、異常な免疫細胞の働きを抑え、炎症を鎮めるといわれています。
間葉系幹細胞(MSC)療法について詳しく知りたい方はこちら

MSC療法の特徴
自己移植・他家移植が可能
患部に直接注入したり、点滴を通して静脈内に投与するなど、投与方法はさまざまです。

副作用が少ない
自己由来(自分の脂肪など)または他家由来(ほかの犬や猫の提供)であっても、拒絶反応が起こりにくく、安全性が高いとされています。

従来の治療で効果がなかったケースにも対応
今までステロイドや免疫抑制剤で改善が見られず、長期間治療を続けてきた症例でも試す価値があると言われています。

治療の流れ
具体的な手順は、自己移植か他家移植かによって異なりますが、一般的には次のような流れです。

1.幹細胞の採取または準備
自己脂肪組織からMSCを培養する、もしくは他家由来(別の健康な犬・猫)のMSCを利用します。

2.投与(注射または点滴)
患部に直接注入、あるいは点滴で静脈内に投与します。2週間間隔で2〜3回行うことが多く、症状改善の度合いを観察します。

3.経過観察・必要に応じた追加投与
皮膚の状態やかゆみの度合いを見て、再度投与を検討します。

 

日常生活での管理


アトピー性皮膚炎はアレルゲンが関与しているため、再生医療を受けたとしても、以下のような家庭でのケアが非常に重要です。

スキンケア
皮膚を清潔に保つためのシャンプーや保湿ケアが欠かせません。使用する製品や洗う頻度は、獣医師と相談しながら決めると安心です。

環境管理
家の中では、ダニやホコリを減らすようこまめに掃除を行い、乾燥が強い季節には加湿を心がけると、皮膚にかかる負担を和らげられます。

食事管理
獣医師から指示を受けたアレルギー対応フードやバランスのとれた栄養源を与えることが大切です。

適度な運動とストレスケア
ストレスが増すと免疫バランスが崩れやすくなるので、適度な運動やスキンシップを意識し、愛犬・愛猫がリラックスできる時間をつくってあげましょう。

こうしたケアとあわせて、定期的に動物病院を受診して経過を観察することで、ご家庭では気がつかない変化がわかったり、その時々に応じた適切な治療法をご提案できたりします。

 

まとめ


アトピー性皮膚炎は、なかなか治りづらい皮膚の病気です。特に従来の治療法では、副作用を心配される飼い主様や、ずっと治療を続けているのになかなか良くならず不安に感じる飼い主様もいらっしゃいました。今回ご紹介した再生医療による治療(MSC療法)は、副作用が少なく、アレルゲンに対する過剰な炎症反応を体の中から改善していく、新しい治療法です。当院では再生医療を積極的に取り入れているので、く続くかゆみから少しでも解放してあげたい、という想いをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

 

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