避妊・去勢手術
当院の避妊手術の特徴
一般的な手術では結紮糸(絹糸やナイロン糸など)で結び、体内に糸を残す方法がとられています。この残っている糸に過剰な異物反応を引き起こすために最悪の場合は皮膚に穴が開いてしまうことがありました。
当院では体内に糸を残さない手術機器リガシュア(LigaSure)を導入しています。体内に糸が残らないので異物反応がなく人の手術でも導入されています。リガシュアを使用することで術後の安全性を高めました。
避妊・去勢手術
誤交配によって生まれてきたワンちゃんやネコちゃんが、飼い主が見つからないという理由で年間60万頭以上も安楽死をさせられているという現状があります。そのようなかわいそうな仔達をこれ以上増やさないためにも去勢や避妊はもっとも効果的であるといえます。
また、最初の発情が来る前に避妊手術をすると乳腺腫瘍の発生率はなんと1/200に下がります。しかし発情を一回経験すると1/12、さらに2回発情を経験したあとでは1/4にしか抑える事ができません。したがって避妊・去勢手術は早い時期に行うほうが多くのメリットがあります。
乳腺腫瘍は実際、摘出して病理検査に出して良性か悪性かを判断するのですが、大体の目安として犬の乳腺腫瘍の場合、良性と悪性が50%:50%で、猫の場合は、殆どが悪性腫瘍となります。
去勢、避妊手術のメリット
ノミやマダニは動物だけでなく人も吸血します。また、一度家にノミが入り込むと、駆除はとても大変です。完全にノミを家の中から排除するのに一年以上かかります。
ノミに寄生された猫に人が噛まれたりひっかかれたりすると、リンパ節がハレたり、発熱するネコひっかき病を発症することがあります。症状は軽いですが、治療法がありません。
雄
- ・精巣腫瘍、肛門の腫瘍、前立腺の病気、会陰ヘルニアなどの発生率の低下
雌
- ・子宮・卵巣の病気(子宮蓄膿症など)、乳腺腫瘍の発生率の低下
- ・望まない妊の減少
- ・スプレー行動(尿マーキング)の減少
雄
- ・発情の煩わしさがなくなる
- ・猫エイズ、猫白血病の感染の危険性低下
- ・けんかによる外傷の減少
雌
- ・子宮・卵巣の病気、乳腺腫瘍の発生率の低下
- ・発情の煩わしさがなくなる
- ・望まない妊娠の減少
- ・猫エイズ、猫白血病の感染の危険性低下
去勢、避妊手術のデメリット
- ・基礎代謝の減少により、肥満に陥りやすくなる。
- ・手術・麻酔のリスク
- Q 手術をした後で肥満になりませんか?
-
A
手術をすると、発情行動がなくなりそれに伴う縄張りの巡回や興奮などが減少するなど行動が大きく変化します。その結果、消費カロリーが15~20%減少すると言われています。手術後は食事の量をおおむね20%ほど減らすことで肥満を予防することができます。
- Q 手術をした後で性格が変わりますか?
-
A
生まれ持った性格は基本的には変わりません。しかし、発情期の興奮や神経過敏、闘争、放浪によった性ホルモンに起因するストレスから開放されて行動が安定し、行動が変化すると言った方が良いでしょう。
- Q 「妊娠の可能性が無いのだから自然にしておきたい」、「体にメスを入れるのはちょっと」、「オスだから子供は産まない」、「オスとメスを一緒に飼っていないから」どちらかと言えば手術をしたくない。
-
A
自然環境から隔離され人間と共に生活をする動物達は寿命が延びた反面、ホルモンの異常に起因する色々な病気に遭遇する事になりますので、避妊・去勢手術は早い時期に行う方が良いでしょう。
去勢・避妊手術前のお願い
- 手術前日夜9:00以降は絶食絶水にしてください。夜のご飯はあげていただいて結構ですが、9:00になったらご飯と水の器はさげてください。
-
手術当日
朝9:00~10:00までに病院にお越しください。絶食絶水を確認した後、術前の注射をうってお預かりをします。
お昼に手術を行います。→夕方、平日であれば夜7:00くらいのお返し、また休日であれば、夕方6:00くらいのお返しになります。
→動物の状態によっては1日お預かりする事もありますが、基本的には日帰りだと思って下さい。
※手術を安全に行う為に、ワクチンの接種をお願いしております。
※野良猫の避妊手術は、一度ご相談ください。