フィラリア予防
蚊が媒介する寄生虫で、親虫は心臓の中に寄生します。フィラリア成虫寄生による目に見える症状が出てくるまでに、5~10年を要し、症状(咳、すぐ疲れる、腹水、突然死など)が出たときには既に対症療法で症状の軽減しかできません。しかし、予防をしていただくことで、フィラリア成虫の寄生は免れます。
- Q 室内犬だから予防薬はいらない?
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A
予防していない室内犬の感染率は低いものの、いつ蚊に刺されているかはわかりません。また、散歩の時も蚊に刺されるチャンスは数多くあります。
感染してからでは遅いので、予防はしっかりとしましょう。 - Q 毛の長い犬はだいじょうぶ?
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A
関係ないようです。長毛の犬、毛の密にはえている犬でも、予防をしていないものは感染しています。
- Q 蚊よけ電球や蚊取り線香は?
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A
これらだけではフィラリアの感染は防げません。なぜならこれらの効果が届く範囲は非常に狭いからです。
- Q どうして蚊が?
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A
蚊がもともとフィラリアの感染子虫をもっているわけではありません。フィラリアにかかっている犬の血を吸ったときに蚊の体内にフィラリアの子虫が入るのです。予防が全ての犬にゆきわたれば、蚊に刺されてもフィラリアの感染はなくなるはずなのですが・・・。
- Q なぜフィラリア成虫による症状はすぐでてこないの?
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A
予防していない仔犬がはじめて越す夏からフィラリアの感染が認められていますが、目に見える症状が出てくるのに数年かかります。しかし、体の中ではいろいろな変化が起こっているのです。
- Q フィラリア症の症状は?
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A
いくつかの例では散歩の途中に急に動かなくなり、数時間後に息を引き取る、といったものがみられます。これはフィラリアの急性症状で、成虫が心臓の中から後大静脈に移動し、静脈につまってしまった結果です。
また、長年フィラリア成虫が心臓に寄生しているため、心臓が疲れてくると同時に、肺動脈の硬化・肥厚がおこり肺に血液中の水分が洩れ出てくるために咳が出たり、おなかに水がたまってきます。
猫のフィラリア症
最近になって、犬だけでなく猫にも寄生し、主に肺に障害を与える事が分かってきました。主な症状は、元気がない、うつ状態、呼吸困難、慢性の咳などがあります。犬とは違い本当に少数寄生の感染でも突然死することがあるので注意が必要です。この予防薬として当院では、主に背中にたらすタイプのレボリュ-ションという薬を使用しています。この薬のメリットは、フィラリアのほかにもノミ、ミミダニ、腸に寄生する回虫も一緒に予防できるという事です。とてもメリットの高い薬ですので、是非これを機会に、我が家の愛猫にも使用してあげて下さい。
とにかく、フィラリアという寄生虫からペットを守るためには、予防が大切です。