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犬・猫が痩せてきた…老化だけじゃない?体重減少の原因と受診の目安犬・猫が痩せてきた…老化だけじゃない?体重減少の原因と受診の目安

「最近、抱っこすると軽くなった気がする」
「ご飯は食べているのに、少しずつ痩せてきた」
「年齢のせいなのかな」

犬や猫が痩せてくると、「シニアだから仕方がない」と思ってしまう飼い主様もいらっしゃるかもしれません。

しかし、体重減少は老化だけが原因とは限りません。食事量や生活環境の変化によることもあれば、体の中の病気が隠れていることもあります。

また、食欲が落ちて痩せているのか、食べているのに痩せているのか、急に痩せたのか、それとも少しずつ痩せてきたのかによって、考えられる原因は異なります。

今回は、犬・猫の体重減少で考えられる原因や受診の目安、動物病院で行う検査、さらに必要に応じて検討される再生医療について解説します。

■目次
1.まず確認|早めに受診したい体重減少のサインまず確認|早めに受診したい体重減少のサイン
2.犬・猫の体重が減る主な原因犬・猫の体重が減る主な原因
3.猫ではFIV(猫免疫不全ウイルス感染症)が関係することも猫ではFIV(猫免疫不全ウイルス感染症)が関係することも
4.動物病院では何をする?動物病院では何をする?
5.治療は「太らせること」より原因への対応が大切治療は「太らせること」より原因への対応が大切
6.再生医療という選択肢
7.まとめ

まず確認|早めに受診したい体重減少のサインまず確認|早めに受診したい体重減少のサイン

体重が少し減ったからといって、必ずしも病気とは限りません。しかし、次のような変化が見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

・数週間で見た目が変わるほど痩せた
・嘔吐や下痢が続いている
・水をよく飲み、おしっこの量が増えた
・咳が出る、呼吸が荒い
・口臭やよだれが増え、食べにくそうにしている

特に猫では、隠れて過ごす時間が増えた、毛づやが悪くなった、高い場所へジャンプしなくなったなどの変化が、体調不良のサインとなっていることもあります。

犬・猫の体重が減る主な原因犬・猫の体重が減る主な原因

体重が減る原因は一つではありません。食べる量が減っている場合だけでなく、食べた栄養を十分に消化・吸収できていない場合や、病気によってエネルギーの消費が増えている場合もあります。

原因によって必要な検査や治療は異なるため、まずはどのような原因が考えられるのかを知っておくことが大切です。

・食事や生活環境の変化
フードの変更や食事量の不足、運動量の変化、引っ越しや来客などによるストレスで、食べる量が減ることがあります。

多頭飼育では、ほかの犬や猫にフードを食べられ、飼い主様が思っているほど食べられていないケースもあります。まずは、実際にどのくらい食べているのかを確認してみましょう。

・消化器の病気
慢性腸炎や寄生虫感染、膵炎、消化・吸収に異常を起こす病気では、下痢や嘔吐を伴うことがあります。

また、食欲があっても栄養を十分に吸収できず、体重が減る場合もあります。

・口の痛み
歯周病や口内炎、歯のぐらつき、口の中のできものなどがあると、食べたい気持ちはあっても、痛みで十分に食べられないことがあります。

フードを口から落とす、片側だけで噛む、硬いものを避けるといった様子が見られることもあります。

口内炎についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください
口腔内腫瘍についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

・ホルモンの病気
猫に多い甲状腺機能亢進症や、犬・猫に見られる糖尿病では、食欲があるのに痩せることがあります。

水を飲む量や尿の量が増えている場合は、こうした病気も考えて検査を行います。

犬の糖尿病についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください
猫の糖尿病についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

・慢性腎臓病
慢性腎臓病は犬・猫のどちらにも見られ、特に高齢になるほど注意したい病気です。

初期には元気そうに見えても、少しずつ筋肉や体重が落ちていくことがあります。そのほか、食欲のムラ、吐き気、口臭、水をよく飲む、尿量が増えるといった変化が見られることもあります。

早い段階では症状が目立たないことも多いため、体重の変化に加えて、定期的な血液検査や尿検査で状態を確認することが重要です。

慢性腎臓病についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

・肝疾患
慢性肝炎などの肝疾患でも、体重が少しずつ減ることがあります。

食欲のムラやだるそうにする様子、嘔吐などが見られることがありますが、初期にははっきりした症状が現れない場合もあります。

病気が進行すると、白目や歯ぐき、皮膚が黄色く見える黄疸が現れることもあります。ただし、黄疸がないからといって、肝臓に問題がないとは限りません。

体重減少が続いている場合は、血液検査や超音波検査などで肝臓の状態を確認します。

・腫瘍
体の中にできた腫瘍では、食欲があるのに痩せる、以前より疲れやすくなる、少しずつ元気がなくなるといった変化から気づくことがあります。

腫瘍の種類や発生した場所によっては、外から分からず、体重減少が最初のサインになることもあります。

治療方針は、腫瘍の種類や進行度、年齢、全身状態によって異なります。手術などで治すことを目指す場合もあれば、進行を抑えたり、痛みや不快感を軽減したりして、生活の質(QOL)を保つことを優先する場合もあります。

猫ではFIV(猫免疫不全ウイルス感染症)が関係することも猫ではFIV(猫免疫不全ウイルス感染症)が関係することも

猫では、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV、いわゆる猫エイズ)が体重減少に関係している場合もあります。

ただし、FIVに感染しただけですぐに体重が減るわけではありません。免疫の働きが低下すると、感染症や口内炎などを繰り返しやすくなり、その結果として食欲が落ちたり、体重が減ったりすることがあります。

動物病院では何をする?動物病院では何をする?

体重減少で受診した場合は、まず飼い主様からお話を伺い、「いつから、どのように体重が減ってきたのか」などを確認します。

その後、身体検査を行い、脱水の有無や口の中の状態、筋肉のつき方、リンパ節の腫れ、お腹の張りやしこりなどを確認します。

そのうえで、必要に応じて血液検査や尿検査、便検査を行います。血液検査では、腎臓や肝臓の状態、血糖値、炎症の有無などを確認します。尿検査では、尿の濃さやタンパク尿の有無などを調べます。

さらに詳しい検査が必要な場合は、レントゲン検査や超音波検査を行い、胸やお腹の中に異常がないかを確認します。

原因を特定したうえで、その子の状態に合わせた治療方針を検討していきます。

治療は「太らせること」より原因への対応が大切治療は「太らせること」より原因への対応が大切

体重が減っていると、まず食べる量を増やしたくなるかもしれません。しかし、病気が原因で体重が減っている場合は、食事量を増やすだけでは改善しないことがあります。

そのため治療では、原因となっている病気を治療しながら、栄養や水分の管理もあわせて行うことが大切です。

例えば、慢性腎臓病では、食事療法や水分管理、吐き気への対策、血圧やタンパク尿の管理などを行います。

肝疾患では、原因や肝臓の状態に応じて、内科治療や食事管理を進めます。

腫瘍では、病気の種類や進行度、全身状態などを踏まえ、その子とご家族に合った治療方針を一緒に考えていきます。

また、治療では体重の数字だけでなく、筋肉量を維持できているかも重要なポイントです。特にシニア期は、筋肉が落ちると歩いたり、立ち上がったり、排泄したりといった日常生活の動作にも影響するため、体重とあわせて筋肉の状態も確認しながら治療を進めていきます。

再生医療という選択肢

へきなん動物病院では、慢性腎臓病や慢性肝炎など、一部の疾患に対して、再生医療を治療の選択肢の一つとしてご提案することがあります。

再生医療では、間葉系幹細胞などを用いて、体が本来持つ修復する力や炎症を調整する働きに着目した治療です。

病気の種類や状態によっては、一般的な治療だけでは十分な改善が難しい場合があります。そのような場合に、症状の緩和や生活の質(QOL)の維持・向上を目指して、免疫細胞治療を検討することがあります

ただし、再生医療はすべての犬・猫に適応できるわけではありません。また、食事療法や内服、点滴などの一般的な治療に代わるものではなく、それらを補う治療として位置づけられています。

さらに、期待できる効果や治療への反応には個体差があり、すべての症例で同じような効果が得られるわけではありません。

当院では、診察や検査結果をもとに適応を慎重に判断し、一般的な治療と組み合わせながら、その子に合った治療方法をご提案しています。

再生医療について詳しく知りたい方は、当院の再生医療ページもあわせてご覧ください。

まとめ

犬や猫の体重減少は、食事や生活環境の変化だけでなく、慢性腎臓病や肝疾患、腫瘍、消化器の病気など、さまざまな原因で起こります。

食べているのに痩せる、短期間で体重が減った、元気や食欲にも変化が見られる場合は、早めに原因を確認することが大切です。

へきなん動物病院では、原因に応じた検査や治療を行い、必要に応じて再生医療を含めた治療をご提案しています。

「年齢のせいかもしれない」と様子を見る前に、気になる体重の変化があれば、お気軽にご相談ください。

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