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これって病院に行くべき?犬・猫に多い目の病気・トラブル一覧

「目やにが増えた」
「目が赤い」
「黒目が白っぽく見える」
「涙やけがなかなかよくならない」

愛犬や愛猫の目にこのような変化が見られると、「少し様子を見ても大丈夫かな」「早めに動物病院へ行った方がよいのかな」と迷う飼い主様も多いのではないでしょうか。

目のトラブルは、一時的な刺激や軽い炎症によって起こることもあります。しかし、目は短期間で症状が進行しやすい場所です。原因や感染の有無によっては、少し赤いだけだった目が翌日には強く痛むようになったり、角膜の傷が短期間で深くなったりすることもあります。

また、犬では涙の不足やまぶた・まつげの構造が関係する病気が比較的多く、猫ではウイルスなどの感染が原因となるケースもよく見られます。

今回は、犬と猫に多い目の病気やトラブルを整理しながら、涙やけ、乾燥性角結膜炎、猫の結膜炎、角膜潰瘍を中心に解説します。

■目次
1.まず確認|すぐ受診したい目の危険サイン
2.犬・猫によく見られる目の病気
3.犬・猫に多い目の病気|角膜潰瘍
4.犬に多い目の病気|乾燥性角結膜炎(KCS・ドライアイ)
5.犬に多い目のトラブル|涙やけ
6.猫に多い目のトラブル|結膜炎
7.動物病院では何をする?目のトラブルで行う検査
8.まとめ

まず確認|すぐ受診したい目の危険サイン

次のような変化が見られる場合は、様子を見続けず、早めに動物病院へご相談ください。

・目を開けられない、細めている
・目をしきりにこする
・黒目が急に白く濁った
・黒目の表面がへこんでいる、えぐれたように見える
・目から出血している
・黄色や緑色の目やにが急に増えた
・まぶたが大きく腫れている
・片目だけ急に悪化した
・物にぶつかる、見えにくそうにしている

これらは、角膜の傷が深くなっている場合や、眼圧が上がっている場合など、早い対応が必要な病気で見られることがあります。

また、猫は目の痛みや不調を行動に表しにくいことがあります。目を細める、普段より顔をこする、瞬膜と呼ばれる目頭から見える白色から淡いピンク色の膜が目立つといった小さな変化も、病気のサインかもしれません。

犬・猫によく見られる目の病気

犬や猫の目の病気には、どちらにも起こるものと、犬または猫で比較的多く見られるものがあります。

代表的な病気を、主な症状とあわせて確認してみましょう。

〈犬と猫のどちらにも見られる病気〉

・角膜潰瘍
黒目の表面を覆う角膜に傷ができた状態です。

犬では、目の形、まつげやまぶたの異常、涙の不足などが関係することがあります。猫では、ウイルス感染やほかの猫の爪による外傷などが原因になることがあります。

・眼瞼炎
まぶたに炎症が起こる病気です。

犬ではアレルギーや皮膚の感染、猫では感染症や免疫反応などが関係している場合があります。

・外傷による目のけが
散歩中に草や異物が目に入ったり、ほかの動物の爪が当たったりすることで、角膜やまぶたを傷つけることがあります。

小さな傷に見えても、時間がたつと深くなることがあるため注意が必要です。

・核硬化症
高齢になると、水晶体が青白く見えることがあります。これは加齢に伴う変化で、白内障とは異なります。

ただし、見た目だけで白内障と区別することは難しいため、一度検査を受けると安心です。

〈犬に比較的多く見られる病気〉

・乾燥性角結膜炎
ドライアイとも呼ばれ、涙の量や質が低下することで目の表面が乾燥する病気です。

シー・ズー、パグ、アメリカン・コッカー・スパニエルなどで多く見られる傾向があります。

・白内障
水晶体が白く濁る病気です。

遺伝的な要因や加齢のほか、糖尿病に伴って起こる場合もあります。

・緑内障
眼圧が上がり、視神経や網膜に障害が起こる病気です。

強い痛みを伴うことがあり、短期間で視力に影響する可能性もあるため、早期の対応が必要です。

・流涙症・涙やけ
涙が目からあふれ、目の周りの毛が濡れたり、赤茶色に変色したりした状態です。

涙の通り道の狭さや、目の周りの毛による刺激などが関係することがあります。

・眼瞼内反症・まつげの異常
まぶたが内側に巻き込まれたり、まつげが角膜に当たったりする状態です。

目への刺激が続くと、角膜潰瘍につながることがあります。

・チェリーアイ
第三眼瞼腺と呼ばれる組織が、目頭から赤く飛び出して見える状態です。若い犬で見られることがあります。

〈猫に比較的多く見られる病気〉

・結膜炎
白目やまぶたの裏側を覆う結膜に炎症が起こった状態です。

猫では、猫ヘルペスウイルスやクラミジアなどの感染が関係していることがあります。

・猫ヘルペスウイルスによる角膜炎
猫ヘルペスウイルスは、一度感染すると体内に残ることがあります。

体調不良や環境の変化、ストレスなどをきっかけに、結膜炎や角膜炎が再発することがあります。

・ぶどう膜炎
目の内部に炎症が起こる病気です。

猫では、目だけの問題ではなく、感染症や免疫の異常など、全身の病気が背景にあることもあります。

・角膜分離症(角膜黒色壊死症)
角膜の一部が茶色や黒色に変化する、猫特有の病気です

ペルシャやヒマラヤンなどの猫種で多く見られる傾向があります。

このように、犬や猫の目の病気にはさまざまな種類があります。

この中でも、飼い主様から特にご相談の多い涙やけ、乾燥性角膜炎(ドライアイ)、猫の結膜炎、角膜潰瘍については、症状や原因、治療の考え方をもう少し詳しくご紹介します。

犬・猫に多い目の病気|角膜潰瘍

角膜には多くの神経があるため、傷ができると強い痛みを伴うことがあります。浅い傷であれば点眼治療で改善する場合もありますが、傷が深くなると治りにくくなり、角膜に穴が開く角膜穿孔に進行することもあります

犬では、パグ、フレンチ・ブルドッグ、シー・ズーなどの短頭種で起こりやすい傾向があります。目が大きく前に出ており、乾燥や外からの刺激を受けやすいためです。

猫では、猫ヘルペスウイルスなどの感染や、ほかの猫の爪による傷などが原因になることがあります。

主な症状は次のとおりです。

目を細める、開けにくそうにする
涙が増える
目をこする
白目が充血する
黒目が白く濁る
黒目の表面がへこんで見える

治療内容は、傷の深さや感染の有無、原因によって異なります。

浅い傷では点眼治療を中心に行い、感染を防ぎながら角膜の修復を促します。また、目をこすって傷が悪化しないよう、エリザベスカラーを使用することもあります。

一方、傷が深い場合や急速に進行している場合には、頻回の点眼や疼痛管理、手術を検討することがあります。

当院では、通常の治療では改善が乏しい難治性のケースに対して、PRP点眼と脂肪由来幹細胞(ADSC)の静脈内投与を併用し、角膜上皮の改善が確認されたケースもあります。

「角膜潰瘍」の記事では、原因や症状、治療方法、再生医療について詳しくご紹介しています。詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

犬に多い目の病気|乾燥性角結膜炎(KCS・ドライアイ)

犬では、涙を作る組織が免疫反応によって障害されることが、主な原因の一つと考えられています。

主な症状は次のとおりです。

粘り気のある目やにが増える
白目が充血する
黒目が白く濁る
目をしょぼしょぼさせる
目をこする

治療では、涙の代わりとなる点眼薬で乾燥を補いながら、涙の分泌を促したり、炎症を抑えたりする点眼薬を使用します。

涙の量はすぐに改善するとは限りません。症状が落ち着いても自己判断で点眼を中止せず、継続して治療と定期検査を行うことが大切です。

ただし、点眼を続けても十分な改善が得られない場合もあります。そのようなケースでは、当院ではPRP点眼や間葉系幹細胞(MSC)の静脈内投与といった治療を、選択肢の一つとして検討することがあります。

「乾燥性角膜炎」の記事では、原因や症状、治療方法、再生医療について詳しくご紹介しています。詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

犬に多い目のトラブル|涙やけ

見た目の問題として気づかれることが多いものの、目への刺激や病気が隠れていることもあります。

涙やけの原因として、次のようなものが考えられます。

涙の通り道が狭い、詰まっている
目の表面に刺激が加わっている
まぶたやまつげに異常がある
アレルギーや皮膚炎がある

ご家庭では、湿らせたコットンなどで目の周りをやさしく拭き、清潔で乾いた状態を保ちましょう。強くこすったり、自己判断で点眼薬を使用したりすることは避けてください。

また、目の周りが赤い、痛がる、目やにが増えた、片目だけ涙が多いといった場合は、涙やけ以外の病気が関係している可能性があります。

涙やけがなかなか改善しない場合は、見た目だけの問題と考えず、原因やご家庭でのケア方法も含めて、お気軽にご相談ください。

猫に多い目のトラブル|結膜炎

犬の結膜炎は、アレルギーや異物、まぶたの異常などが原因となることが多いのに対し、猫では感染症が関係しているケースが多く見られます

特に、猫ヘルペスウイルスやクラミジアの感染が原因となることが多く、猫カリシウイルスなど、ほかの感染症に伴って結膜炎の症状が表れる場合もあります。

主な症状は次のとおりです。

白目やまぶたの裏が赤くなる
まぶたが腫れる
目やにが増える
涙が多くなる
目をしょぼしょぼさせる
くしゃみや鼻水が出る

なかでも猫ヘルペスウイルスは、一度感染すると体内に残ることがあります。そのため、環境の変化や体調不良、ストレスなどをきっかけに、症状を繰り返すことがあります。

炎症が角膜まで広がると、角膜炎や角膜潰瘍につながることもあります。目やにや充血が続く場合は、結膜だけでなく角膜の状態も確認する必要があります。

治療は原因に応じて行います。ウイルスが関係している場合は抗ウイルス薬などを、細菌感染が疑われる場合は抗菌薬の点眼や眼軟膏を使用することがあります。

なお、以前処方された点眼薬や人用の目薬を、自己判断で使用しないでください。点眼薬の種類によっては、角膜の傷や感染を悪化させる可能性があります。

ご家庭では、湿らせたコットンなどで目やにをやさしく拭き取り、目の周りを清潔に保ちましょう。

ワクチンによって感染を完全に防げるわけではありませんが、症状を軽減する効果が期待できます。また、新しい猫を迎えたときは、しばらく生活スペースを分け、目や鼻の症状がないか確認することも大切です。

動物病院では何をする?目のトラブルで行う検査

目のトラブルで受診した場合は、まず目の表面やまぶた、目やに、充血などの状態を確認します。

そのうえで、必要に応じて次のような検査を行います。

フルオレセイン染色検査:角膜に傷があるかを確認する検査
シルマーティア試験:涙の量を測る検査
眼圧検査:眼圧を測る検査
眼底検査:目の奥の状態を確認する検査
細胞診・培養検査:感染の有無や原因を調べる検査

一見似た症状でも、原因が違えば必要な治療は変わります。検査で原因がはっきりするほど、その子に合った治療を選びやすくなります

多くの目の病気は、点眼薬や内服薬、必要に応じた手術などで改善が期待できます。しかし、治療を行っても十分な改善が得られないケースや、治りにくいケースもあります

そのような場合に当院では、再生医療を選択肢の一つとして検討することがあります。

例えば、PRP点眼やMSC投与などを、目の状態や病気に応じて検討します。ただし、再生医療はすべての目の病気に行う治療ではありません。

診察や検査で原因や病状を確認したうえで、必要と判断した場合にご提案しています。

間葉系幹細胞(MSC)療法についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

まとめ

犬や猫の目の病気は、目やにや充血、涙やけなど、一見軽い症状から始まることがあります。しかし、その背景には早めの治療が必要な病気が隠れていることも少なくありません。

また、犬では涙の不足やまぶたの構造による病気、猫では感染が関わる病気が多いなど、なりやすいトラブルにも違いがあります。

当院では、原因を丁寧に確認し、その子の状態に合わせた治療をご提案しています。必要に応じて、再生医療も選択肢の一つとして検討しています。
「少し気になるな」と感じたときは、様子を見続けず、お気軽にご相談ください。

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