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犬が急に散歩を嫌がる・行きたがらない|性格?疲れ?それとも体の不調?

散歩が好きだった愛犬が、急に玄関で止まってしまう。リードを見せても喜ばない。外に出ても、すぐに帰りたがる。

そんな様子を見ると「今日は気分じゃないだけかな」「疲れているのかな」「年齢のせいかな」とどうしてあげたらいいか迷ってしまう飼い主様も多いと思います。

犬が散歩を嫌がる理由は、決してひとつではありません。少し休めば元気になる一時的なものもあれば、中には痛みやだるさなど、体の不調が関係していることもあります。

特に、これまで散歩を楽しみにしていた子が急に行きたがらなくなった場合や、その状態が何日も続いている場合は、愛犬からの大切なサインとして受け止めてあげることが大切です。

今回は、犬が散歩を嫌がるときに考えられる日常的な理由から、隠れた病気の可能性、お家でチェックしたいポイント、そして痛みを和らげるための新しい治療の選択肢まで分かりやすく解説します。

■目次
1.病気ではないこともある|散歩を嫌がる身近な理由
2.お家でできるチェック|散歩を嫌がるときに見たい体のサイン
3.こんなときは早めに受診を
4.動物病院では何をする?
5.痛みやだるさが続くときの治療と再生医療という選択肢
6.まとめ

病気ではないこともある|散歩を嫌がる身近な理由

犬が散歩を嫌がる理由には、日常の中のちょっとした不快感が関係していることがあります。

◼︎夏の暑さやアスファルトの熱
夏の暑さや湿度、アスファルトの熱さは、犬にとって大きな負担です。犬は人よりも地面に近い位置を歩くため、気温以上に暑さの影響を受けることがあります。

◼︎環境への苦手意識や怖い記憶
雨や強い風、工事の音、車の音、あるいは他の犬が多い場所が苦手な子もいます。「以前このコースで怖い思いをした」という記憶から、その場所を避けたがることもよくあります。

◼︎前日の疲れや体への違和感
前日にたくさん遊んだ、睡眠不足だった、運動量が多すぎた、首輪やハーネスのサイズが合っていなくて痛い、肉球が荒れていて砂利道が歩きにくい、といった理由が隠れていることもあります。

このように、散歩を嫌がる理由はさまざまです。まずは時間帯や散歩コースを変えてみたり、お散歩グッズを見直したりして、様子を見てあげるのも一つの方法です。

お家でできるチェック|散歩を嫌がるときに見たい体のサイン

一時的な気分や環境の影響なのか、体の不調が関係しているのかを見分けるためには、散歩中だけでなく、おうちでの様子も確認することが大切です。

次のような変化がないか、落ち着いて見てみましょう。

✔️ 立ち上がりや段差を嫌がる
寝ている状態から立ち上がるのに時間がかかる、階段の前で止まる、ソファやベッドへのジャンプをためらう様子はありませんか。

こうした変化がある場合は、関節炎や靭帯のトラブル、腰や背中の痛みなどが関係していることがあります。

歩き始めがぎこちない、散歩中に何度も止まる、帰宅後に疲れが強い場合も、足腰の痛みが隠れている可能性があります。

関節の痛みについてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

✔️ 咳が出る、すぐに息が荒くなる
少し動いただけで息が上がる、水を飲んだあとに咳をする、散歩に出てもすぐに座り込んでしまう場合は、心臓や呼吸器の不調が関係していることがあります。

「体力が落ちたのかな」と見える変化でも、心臓病や呼吸器の病気によって疲れやすくなっている場合があります。

✔️ 食欲や排泄の様子に変化がある
ごはんを食べる量が減った、水を飲む量が急に増えた、おしっこの回数や量が変わった、嘔吐や下痢があるといった変化にも注意が必要です。

慢性腎臓病や肝疾患、ホルモンの病気などでは、体のだるさから散歩に行きたがらなくなることがあります。

慢性腎臓病についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

✔️ ふらつく、足がもつれる
歩いているときにふらつく、足先を引きずる、後ろ足がもつれるように見える場合は、神経の病気や貧血などが関係していることがあります。

急に歩き方が変わった場合は、年齢のせいと決めつけず、早めに確認することが大切です。

✔️ 体に触ると嫌がる、怒る
足、腰、背中、首などに触れたときに体をこわばらせる、低くうなる、鳴く、逃げるといった反応がある場合は、痛みを感じている可能性があります。

無理に触ったり、痛がる場所を何度も確認したりする必要はありません。歩き方や散歩中の様子を動画に撮っておくと、診察時のとても大きな手がかりになります。

こんなときは早めに受診を

お散歩に行きたがらないことに加えて、次のような症状が見られる場合は、様子を見ずにできるだけ早く動物病院を受診してください。

・急に歩けなくなった
・びっこを引く
・足を地面につけない
・触ると強く痛がる、鳴く
・呼吸が苦しそう
・舌の色が紫っぽい
・失神のような様子がある
・食欲低下、嘔吐、下痢が続く
・急に痩せてきた
・水をよく飲む、おしっこが増えた
・口臭が強くなった

動物病院では何をする?

動物病院では、飼い主様から「いつ頃から始まったか」「急に行きたがらなくなったのか、徐々に細くなったのか」といったお話や、お家でのご飯・排泄の様子をお伺いします(お持ちいただいた動画もここで拝見します)。

その後、歩き方や関節の痛み、心音や呼吸の音、脱水の有無などを確認します。

散歩を嫌がる原因は、関節や筋肉の痛みだけでなく、心臓や呼吸器の病気、腎臓や肝臓など全身の不調が関係していることもあります。そのため、必要に応じて、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、心臓の検査、関節の評価などを行います

これらの検査は、原因を整理し、その子に合った治療につなげるために行うものです。原因が分かれば、痛みを和らげる方法や、体の負担を減らすための対策を考えやすくなります。

痛みやだるさが続くときの治療と再生医療という選択肢

治療は、原因によって変わります。

関節の痛みが原因であれば、痛み止めやサプリメント、体重管理、おうちでのリハビリなどを組み合わせながら、負担を減らしていきます。

また、内臓の病気が原因であれば、食事療法や内服薬、必要に応じて点滴などを行い、病気をコントロールしながら安定した生活を目指します。

こうした治療で症状が改善するケースも多くありますが、病気の種類や進行度によっては、「お薬だけでは痛みを十分に抑えられない」「副作用が心配で薬を増やしにくい」といったこともあります。

そのような場合、当院では一般的な治療に加えて、再生医療を選択肢のひとつとして検討することがあります。

〈再生医療とは〉

再生医療とは、犬自身の細胞(または健康なドナーの細胞)を培養して体に戻し、傷ついた組織の修復を促したり、お薬では抑えきれなかった強い炎症や痛みを緩和することを目指す先端医療です。当院では、状態に応じて間葉系幹細胞療法やPRP療法などを検討する場合があります。

「間葉系幹細胞(MSC)療法」についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

再生医療は無理に押し付ける治療ではなく、今行っている一般的な治療に組み合わせたり、これまでの方法では維持が難しくなってきたときのための「もう一つの選択肢」です。すべての犬や病気に適応できるわけではありませんので、詳しい検査結果に基づいて、ご家族と一緒に慎重に判断いたします。

私たちの目標は、ただ病気の数値を下げることだけではありません。「大好きな飼い主様とお散歩に行ける日を1日でも多く増やしてあげること」、そして「生活の質(QOL)をしっかりと守ること」です。

まとめ

犬が散歩を嫌がる理由は、暑さや音、コースへの苦手意識、疲れなど身近なものから、関節の痛み、心臓病、腎臓や肝臓の不調までさまざまです。

急に散歩を嫌がるようになった、数日続いている、元気や食欲にも変化がある場合は、体の不調が隠れている可能性があります。

へきなん動物病院では、まず原因を確認したうえで、一般的な治療を基本に、状態によって再生医療も選択肢として検討します。

「性格かな」「年齢のせいかな」と迷うときも、一度ご相談ください。愛犬が無理なく過ごせるように、一緒にできることを考えていきましょう。

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