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「もう歳だから」と言う前に|シニア犬・猫とこれからできること

「最近、寝ている時間が増えた」
「散歩に行きたがらない」
「前より動きがゆっくりになった」

愛犬や愛猫が年齢を重ねると、このような変化が見られることがあります。

シニア期に入ると、体力や筋力が落ち、若いころと同じように動けなくなるのは自然なことです。そのため「もう歳だから仕方ないのかな」と感じる飼い主様も多いと思います。

しかし、その変化の中には、痛みや病気が隠れていることがあります。

犬や猫は、痛みや不調を言葉で伝えられません。さらに、痛みを我慢して普段どおりに見せることもあります。そのため「年齢のせい」と思っていた変化が、実は体からのSOSだったというケースも少なくありません。

そこで今回は、シニア犬・猫に見られる変化や、ご家庭でできるケア、再生医療という選択肢についてわかりやすく解説します。

■目次
1.年齢による変化と見過ごしたくないサイン
2.シニア期に多い痛みや不調
3.シニア期の治療で最も大切な「QOL(生活の質)」
4.ご家庭でできるシニア期のサポート
5.体への負担が少ない「再生医療」という選択肢
6.こんなときはご相談ください
7.まとめ

年齢による変化と見過ごしたくないサイン

犬や猫も年齢を重ねると、体にさまざまな変化が出てきます。
寝る時間が増える、歩くスピードがゆっくりになる、疲れやすくなるといった変化は、シニア期によく見られます。

ただし、次のような様子がある場合は、加齢だけでなく「痛み」や「病気」が関係している可能性があります。

触られるのを嫌がる
抱っこやブラッシングを嫌がる
立ち上がるまでに時間がかかる
散歩に行きたがらない
階段や段差を避ける
食欲や元気が落ちている
寝ている時間が急に増えた
性格が変わったように感じる

特に、以前は平気だったことを嫌がるようになった場合は注意が必要です。

シニア期に多い痛みや不調

シニア期に増える代表的な不調には、以下のようなものがあります。

関節の痛み
内臓の機能低下
神経のトラブル
筋力の低下
慢性的な炎症

たとえば、関節に痛みがあると、散歩を嫌がったり、階段を避けたり、猫では高い場所に上らなくなったりします。

腎臓や肝臓、心臓、消化器などの機能が落ちている場合は、食欲の低下、体重の変化、疲れやすさ、吐き気、下痢などにつながることもあります。

関節の痛み×再生医療についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください
慢性腎臓病×再生医療についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

シニア期の治療で最も大切な「QOL(生活の質)」

シニア期の治療では「病気を治すこと」だけが目的ではありません。

年齢や病気の状態によっては、完治を目指すよりも、痛みを和らげて快適に過ごせる時間を増やすことが何より大切になります。

このような考え方を、QOL(生活の質)といいます。

・ごはんをおいしく食べられる
・自分の力で無理なく歩ける、排泄ができる
・痛みが少なく、夜よく眠れる
・飼い主様と穏やかに落ち着いて過ごせる

こうした当たり前の日常を守ることも、立派な治療の目的です。たとえ完治が難しい病気であっても、不調を減らすことで愛犬・愛猫の笑顔を増やすことができます。

ご家庭でできるシニア期のサポート

大切な家族の生活を支えるために、ご自宅の環境や習慣を少し見直してみましょう。

・足腰への負担を減らす環境づくり
フローリングで滑りやすい場所にはマットを敷きましょう。ソファなどの段差には、ペット用のステップやスロープを設置するのがおすすめです。

・寝床を暖かく保つ
体が冷えると、関節のこわばりや痛みが出やすくなります。特に寒い季節は、寝床の保温を意識してあげてください。

・無理のない範囲での運動
まったく動かない生活は筋力低下を早めます。犬なら短い距離をゆっくり歩く、猫なら低い位置で遊べるおもちゃを使うなど、負担のない運動を続けましょう。

・日々の体重・食欲チェック
体重が増えると関節や心臓への負担が大きくなります。逆に、急に体重が減る場合は病気が隠れているサインかもしれません。日頃の変化をよく観察しておきましょう。

体への負担が少ない「再生医療」という選択肢

シニア期の犬や猫では、年齢や持病の影響で、強い薬や大きな手術を選びにくいことがあります。

このようなとき、選択肢のひとつになるのが再生医療です。

再生医療とは、体が本来持っている回復する力や、細胞の働きを利用して、症状の軽減やQOLの維持・改善を目指す治療です。

〈当院で行っている「間葉系幹細胞(MSC)療法」〉

体の中の炎症を和らげたり、傷んだ組織の修復を助けたりする働きが期待されている細胞を投与する治療法です。
主に、関節の痛み、慢性腎臓病、慢性口内炎、炎症性腸疾患(IBD)など、長く続く炎症や不調に対して検討されることがあります。

「間葉系幹細胞(MSC)療法」についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください

再生医療の特徴は、体への負担が比較的少ないことです。高齢になると、薬の副作用が心配だったり、手術が難しかったりする場合があります。そのような子でも、状態によっては再生医療を選択できることがあります。

ただし、再生医療はすべての病気に使えるわけではありません。行えば必ず元気になる、薬が不要になるという治療でもありません。

その子の病気の種類、進行度、体力、現在の治療内容を確認したうえで、適応できるかを判断します。

こんなときはご相談ください

シニア期の変化は、年齢によるものなのか、病気や痛みによるものなのか、飼い主様だけで判断するのが難しいことがあります。

次のようなときは、一度ご相談ください。

・最近、急に動きたがらなくなった
・食欲や元気にムラがある
・今の治療をこのまま続けてよいのか迷っている
・強い薬や手術以外の選択肢(再生医療など)を知りたい

「このくらいで相談していいのかな」と迷う段階でも大丈夫です。

早めに体の状態を確認することで、できることの選択肢が広がる場合があります。

まとめ

シニア犬・猫の変化には、年齢だけでなく痛みや病気が隠れていることがあります。「もう歳だから」と決めつけず、体のサインに気づいてあげることが大切です。

ご家庭での環境づくりや体重管理に加えて、状態によっては再生医療がQOLの維持・改善を支える選択肢になる場合があります。

当院では、大切な家族と少しでも長く快適に過ごせるよう、その子に合った治療やケアを一緒に考えていきます。気になる変化があるときは、お気軽にご相談ください。

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