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愛犬の治らない下痢でお悩みの方へ|犬の炎症性腸疾患と最新の治療について

「愛犬の下痢が続いていて、いろいろ試したけれど、なかなか良くならない…」というお悩みをよく耳にします。下痢の原因はいくつかありますが、中でも多いのが「炎症性腸疾患(IBD)」です。この病気は、なぜ起こるのかはっきりとわかっていないため、治療が難しいという特徴があります。一般的な治療では、免疫の働きを抑える薬(免疫抑制剤)を使いますが、完全に治ることはなく、副作用が現れる可能性もあります。そこで最近注目されているのが、再生医療です。

今回は、犬の炎症性腸疾患について、基本的な情報をお話したうえで、従来の治療法と再生医療の違いに焦点を当ててご説明します。

◼️目次
1.慢性腸症(炎症性腸疾患)について
2.主な症状
3.一般的な診断方法
4.従来の治療方法
5.再生医療による治療
6.日常生活での管理
7.まとめ

 

慢性腸症(炎症性腸疾患)について


炎症性腸疾患(IBD)は、「慢性腸症」という病気のグループの一つです。慢性腸症には、ほかにも次のような種類があります。

・食事反応性腸症(FRE):特定の食事成分に反応して腸炎を起こす
・抗菌薬反応性腸症(ARE):抗生物質などで腸炎が改善する
・治療抵抗性腸症(NRE):さまざまな治療を試しても良くならない

IBDは遺伝や腸内バランスの乱れ(腸内細菌叢の変化)などが原因と考えられていますが、はっきりとした理由はわかっていません。これによって腸の粘膜に異常な免疫反応が起こり、炎症が続いてしまうのです。診断や治療を進めてもよくならず、飼い主様や愛犬にとって悩みの種になる病気といえます。

 

主な症状


IBDの特徴的な症状は、3週間以上続く慢性的な下痢です。一般的な下痢止めの薬を使っても改善しない場合が多いのが特徴です。そのほかにも、以下のような症状が見られます。

嘔吐
食欲の低下
体重の減少

 

一般的な診断方法


IBDは診断自体も難しく、問診、血液検査、便検査、内視鏡検査などを組み合わせて行います。

下痢の原因は感染症や異物の飲み込み、食物アレルギー、腫瘍など、さまざまです。まずはそれらの可能性を除外したうえで、慢性腸症の4種類(FRE、ARE、IBD、NRE)のどれに当てはまるかを診断します。

確実に診断するためには、治療への反応や内視鏡検査の結果が重要になります。

 

従来の治療方法


IBDと診断できたら、一般的には以下のような治療を進めていきます。

・免疫抑制剤
一時的に症状がおさまることがありますが、完治は難しいと言われています。副作用を避けながら、薬の量をコントロールしていく必要があり、生涯にわたる治療が必要になるケースも少なくありません。

・食事療法
低脂肪や低アレルギーの療法食を与えて腸への負担を減らします。ただし、最適なフードを見つけるには時間がかかる場合があり、食事療法だけで改善しないこともあります。

・整腸薬
腸内細菌叢を改善するために投与しますが、一般的には他の治療と組み合わせる必要があります。

 

再生医療による治療


従来の治療法では限界があることから、注目されているのが再生医療の一つである間葉系幹細胞(MSC)療法です。IBDは「免疫の異常」が大きく関わっている病気ですが、MSC療法には免疫の暴走を抑え、炎症を鎮める働きがあるとされています。具体的には、以下のような作用が期待できます。

抗炎症作用:腸の粘膜で起きている炎症を和らげる
細胞保護作用:炎症や免疫の過剰反応から腸の細胞を守る

実際の治療では、自分の犬や別の健康な犬から採取した脂肪を培養して得られた幹細胞を、点滴で静脈内に投与します。通常は2週間ごとに2〜3回行い、その効果を見極めます。

 

日常生活での管理


IBDははっきりとした予防法が確立されていませんが、以下のポイントに注意して生活することで症状の悪化を防ぐ手助けができます。

食事の選び方
低脂肪のものや消化しやすいものなど、腸に負担をかけないようなフードも検討してみましょう。

ストレス管理
遊びや散歩の時間をしっかりととり、ストレスをかけないように注意しましょう。

生活リズム
一日のスケジュールをおおまかに決め、食事や散歩、睡眠などはいつもの時間とズレがないように気をつけましょう

またこれ以外にも、動物病院での定期的な検査も欠かせません。下痢の原因にはいろいろな病気があり、ご家庭での様子だけではわからなかったり、気づかないうちに進行していたりするケースもあります。

 

まとめ


IBDは慢性的な下痢を引き起こし、愛犬のQOL(生活の質)に大きな影響を与える病気です。また、IBDは免疫の異常によって起こるので、従来のものだけでなく再生医療も治療の選択肢に入ります。当院では再生医療に力を入れておりますので、これまでの治療で改善せずにお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

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